冬を越えて
紫野瑪衣(投稿日:2004/01/07)
夜の雪道
白い吐息
静かな街に響く靴音
街灯に遮られながらも輝く星
視線を向けたら
冬の夜が好きだった君を思い出す
雪溶けと供に忘れ去った気持ちが
冬を迎えカタチだけでも還って来たようで
もう遅い
2度目の冬を笑った
暗い夜道
照らす街灯
一緒に歩くのは君じゃない
手を伸ばせば
いつでも抱きしめてくれる腕がある
雪解けと供に帰ってきた居場所が
今の私に何よりも必要な場所であることを
君は知ってる
だから傷つけあった
雪は舞い落ちる
美も汚れも覆い隠して
長いながい眠りに落ちる
私たちもそう眠るだけ
時が廻り次の春に
微笑みながら語らう日まで
君は生きろ
私は笑う
あの日舞い落ちた雪が
私達に何を残したか
きっと分かる
冬を越えれば
明けない夜はないように
きっと分かる春が来る....