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『哀れな僕へ』

かえで(投稿日:2004/02/21)

四角い部屋で僕は目覚めてしまった
嗚呼なんてかわらぬ朝だろう

ブラックコーヒー
マルボロ
新聞
誤算と言えば焦げかけのまずいパン

前日のプランで僕は君を遠くからとおくから
見守る役目につくはずだったのに
何たるこのざまは
失態だよ

今日は見るまでも快晴だ
優しい光がさんさんと差し込んで
染み付いた死臭を消し去ってゆくようだ
この四角い部屋では緑達が
僕以上にここにいることを喜んでいる
いつもこいつらと喧嘩している猫までが
ここで転寝する始末だ
そんな姿が僕の気持ちをほころばせるのは何故だろう

愛する者よ
君は僕の皆を知らない
ボロ衣を着た姿で君の回路を埋め尽くしたのだから
しょうがないことだろう
君は繊細過ぎるから
いっそ君の中で晴れやかな僕を一人置いていくべきだった
だが君のこの美しき泣顔を見られる僕は幸福でたまらない
愛しているよ
植物の笑顔よりも
猫の寝顔よりも

死臭のするこの部屋は今日はたまらなく暖かい