コラム・雑記

コラム・雑記

詩が上手くなりたい場合の一つの方法

何にしても上手くなる方法っていうのに王道はなくて、その人の特性に応じて効果の有無が発生するのは当たり前としておいて。

F.y.では主にレッサーとして接してるわけだけど、そういう立場であの場を見て一つのスタイルとして詩を投稿して、その詩に付いたレスに対して反応するところで止まってる人が多いんだろうなって思うのね。それは多分反応を返してもらえるのが嬉しいからなんだろうけど、本来作品に限らず何かを公開するっていうことにはそれ相応の責任が伴うのが普通で、F.y.に限らず投稿掲示板のようにおべんちゃらな他人行儀な反応ばかりが返ってくるのってむしろ異常な環境なんです(暴言)。

そりゃともかく。詩が上手くなりたい場合の一つの方法論として数人のレッサーを追っかけるのはかなり有効な手段。感性が合いそうな人でも良いんだけど、なるべくなら作品を客観的に読める人を追っかける方が良い。で、詩だけでなく他のジャンルのレッサーを追いかけられるとますます良い。他のジャンルっていうのは自分の好きなジャンルで十分。映画でも漫画でもアニメでも、音楽でも、作品に対してなるべく客観的な視点で評価できる人がいるのなら必要十分です。

色んな作品を一つの基準で測られて、より明確な形でその人が何を伝えようとしているのかが分かってくる。その人がレッサーであるのと同時に作り手でもあるのなら、その人の作品を読むのも有効だけど(詩の場合は特にそういうケースが多い)、的確なレスを入れられるのと、人にした指摘点全てをフォローした作品を書くのはちょっと違うのよ。テーマやその時のその作り手の課題が違うから。で、そういうタイプのレッサーって対峙した作品を自分が書いた際にどうするかってことを考えるから、それぞれのレスに思想の断片が散りばめられていく形になるのね。それをかき集めて、自分の書きたい作品に見合った形に置き直して行けば間違いなく技量は上がる。で、価値観が偏らないように数人を追いかけるわけ。

他のジャンルの評を追いかける意味っていうのは、例えば自分の作品の指向としてイメージが思い浮かぶようなものを書きたいとするなら、映画のカメラワークや漫画のコマ割りに言及した評は絶対参考になる。静止画のイメージなら実物の絵画で色遣いや陰陽の取り方を、音楽を参考にするならどういう題材のどんなサビの時にバックでどういうリズム・メロディーが流れているのかを客観的に評価できる意見はすごくためになる。ベースは感性なんだから、詩を書くのに詩だけで全ては完結しないのよ。

2002.10.30. / Genre:POEM

自己表現としての詩。

私のきっかけも実際のところそうで、同じように自分の想いを曝け出す一つの手段として詩という手法を選ぶ人が多いみたいだけど、ここ最近になってずぅっと思うことがあって、むしろ詩って自分が現在進行形で抱えている感情を表現するには向いていない表現方法なんじゃなかろうか、なんて思うのね。少なくとも自他を含むこれまでの何かしらの経緯から導き出された私なりの現時点での一つの結論。

ぶっちゃけて言うと一般的にイメージされる詩の形態で想いを描くにはあまりにも短すぎるんよ。それだけに手法が平易で簡素であればあるほど表面的なものをなぞってるだけになってしまう。もうなんだかんだと2年くらい幾つかのサイトの詩投稿掲示板で詩の講評をしてきたけど、ほとんどがそんな感じだった。ように思う。F.y.でも結構な比率で「主人公の背景が今ひとつ分かんない」と書いた記憶があるし。

だって普通に考えるとさ、主人公が今その時点でそういう想いや感情に囚われてるってことは、それ相応の過去があるからでしょ? ある日突然降って涌いたかのように語られる(と書くには言いすぎか)主人公の感情を「その想いが主人公の全てです」みたいに書かれても、「んなバカな」としか返せない。別に理路整然と説明して欲しいわけじゃないしそんなの必要ないけど、すっごい薄っぺらい想いにこだわってるように思えてしまう。そういう解釈を否定されてもそうにしか読めないものは読めない。で、そうにしか読めない以上筆者の中の主人公像が他の読み手と異なる結果になっても、異なったまま読み手の中でイメージの構築が始まってしまう。

で、結局のところそれを語るには絶対小説とかエッセイにまとめた方が伝わると思うのよ。個人的にはね。意図しない主人公像が読者の中に芽生えても一つの話の筋に沿って導かれる主人公の行動や思考、しぐさの一つ一つで違和感を気づかしてくれる場合が多いし。いや、むしろ形態なんてどうでも良いから理路整然と説明してもらった方が良いかもしれない。小説と名乗りつつ延々と想いの程を本人視点の妄想もとい主観混じりの話というか想いの羅列を一方的に語られても困るから(笑。ちなみに過去の自戒を込めて。全然そんな風な素振りが見られないけど。

少なくとも一つ言えることは、私のこういう発言に対して「今の想いをそのまま書かないと表現したい想いの形が変わってしまう」と反論する人も多いだろうけど、むしろ逆。一旦冷却期間を置いてある程度客観的な視点で見直して手直しした方が作品としては伝わります。書きっぱなしだと一元的な視点でしかものを見れないから、中身が、即ち伝えたい想いがすごく薄っぺらく見えるんです。

現在進行形の想いを詩で書く難しさになんとなく気づいたので(他にも現在進行形の想いを詩で描かない理由はあるけど)、最近は一瞬に如何に焦点を当てられるかを考えて詩を書いてます。言わば“逃げ”ですが。ただ、たかが時制的には一瞬でもそれを表現するには何十行も必要だったりするものなんですよ。それが面白かったりするものですが。

2002.10.29. / Genre:POEM

Michael Jackson 再評価。

たまたまリアル・ガイド80年代のミュージック・シーンの特集をしているコーナーがあったので、その勢いで行ってみるMichael Jackson.com。ちなみに本当の目当てはCulture Clubだったんだけど(笑。

ビデオクリップ全盛期の80年代ならいざ知らず(って、その頃私、小〜中学生だったけど)、それなりに自分で情報を仕入れなければなかなか海外ミュージック・シーンの話題が手に入らない昨今、特にMichael Jacksonの話題ってとんと聞かない。ゆえに昨今の10〜20代って当時のMichael Jacksonが如何にすごかったかなんて知らないんじゃないかなぁ。などと思わないでもなく。それはそうと、オフィシャルサイトだしこれと言って特に期待してなかったのよ。だって、邦楽の公式サイトのイメージが強くってかなり勝手に視聴できてもファン登録した人だけとか、ワンフレーズのみとか、Michael Jacksonなのに曲の視聴のみとかしかないんじゃないか、と思ってたし。

が。びっくりした。ショートフィルムがあるの。しかも国内オフィシャルと違ってフルヴァージョン(そんなわけで一曲10分とかいうビデオがザラにある)。全盛期そのままのMichaelがそこにいる。そんな曲数が多いわけじゃないんだけど、Michaelを象徴するスーパーヒットの曲は網羅してて十分。なんと言っても日曜は私、ずっとショートフィルム魅入ってたから(笑。

もしMichaelのショートフィルムを見たことがないのなら直接見てみるのがよろしいかと。ぐたぐたと何がすごいかを言葉にしても仕方がないし。ちょこっとだけ個人的偏った見どころを織り交ぜつつ。

THRILLER
Michaelが全世界に認めさせた傑作中の傑作。ゾンビが踊るという発想そのものがセンセーショナル。今見るとMichaelが黒いのもセンセーショナル(笑。私を含めてミーハーなファンがMichaelを語るにはまずここから。もう20年経つのにこの作品を越えるショウビズ・シーンはなかったように思う。その他、同時期に流行った曲もまた、今なお燦然と輝いている。
BAD
MichaelがMichaelたる由縁を語るには、あるいはショウビズ・シーンにおけるMichaelという存在を語るにはTHRILLERよりもむしろこっちではないか、と。想いを訴える手段として彼は歌という手段を選び、万人を惹きつけるために踊り、それを作品として演出するためにエフェクトが存在するという。それを生業として描き出す正にショウビズ。
SMOOTH CRIMINAL
ゲームファンを自称する20代後半〜30代にはBADより認知度があるかもしれない名曲。映画『Michael Jackson's MOONWALKER』からCLUB 30'sのシーンをショートフィルム化。『MOONWALKER』と言えばよくMDにてゲーム化されたものの、そのバカゲー振りがゲーム雑誌でよく取り上げられてそのイメージが痛烈に残っているゲーマーが意外と多いところだろうけど(映画も全般的に謎ではあったが。何故ロボットになる?)、CLUB 30'sのシーンをショートフィルム化したこの曲はかなり見もの。私の一押し。
SCREAM
Michael Jackson.comにあるショートフィルムの中ではかなり最近の作品。数年前じゃなかったけな? この作品Janet Jacksonと共演ってことでちょっと話題になった作品なんだけど、このフィルムはMichaelよりむしろJanet。今のJanetも随分綺麗だと思うけど、この頃の彼女、すんごいかわいい。
BRACK OR WHITE
フィルムが始まって曲が流れるまで2分くらいあるんだけど(これでもMichaelのショートフィルムの中では早い方)、曲が流れてからのMichael+αの組み合わせの妙が見どころ。その中でも3分30秒辺りのハイウェイの真ん中でインド風女性の踊子とのマッチングが妙。しかも彼女、綺麗。後半Michaelが独りで踊ってるんだけど、踊りたりないんだろうか? 曲はともかくコサック以降はどうでもいいかも(苦笑。
YOU ROCK MY WORLD
なかなか名前憶えられないんだけど(笑)、ヒロインが美人。SMOOTH CRIMINALもそうだけど、80年代末のMichaelのイメージ。あ。キャスティングは半端じゃなくすごいのですが。なお、他のRealPlayer用ショートフィルムとは違い音源はステレオ。
BEAT IT
THRILLER, BADと取り上げたらはずすわけにも行かなくて。ただ、ショートフィルムというよりビデオクリップ。それだけによくMTVでも流れたんだけど。

なんつぅか。やっぱすごいよ、Michael。

(追記)

ちなみにサイトにアップされてる全てのショートフィルムはRealPlayerのほか、Windows Media PlayerQuickTimeで見ることができます。WMPについては56k/100k/300kと回線速度に応じたファイルを選択できるんだけど300kでないとほとんど意味なし。しかもCPUが1Ghz以上ないと頻繁にコマ落ちしやんの。WMP7.xって重過ぎるよ。逆に問題なく表示できるなら否応もなくWMP7.x+300kで見るべし。どっちにしてもブロードバンド環境でないとつらいかも…。

2002.10.28. / Genre:ETC.

Since 2001.01.14. Webmaster is Aya-Maidz.