頑張っても届かないものもあるよね
幻をつかんでは浮かれて流れる『時間』
そんな過去を振り返って、ただ
自分の路(みち)を見失うこの頃
彷徨の足取り
走り出して届くのは…
ベルを鳴らす出発前の地下鉄?
それとも閉まりかけのエレベーター?
夢は幻影(まぼろし)
どれだけ走り抜いても届きやしない
峠を越えて見えるのは…
淋しく広がる青空
それとも山の向こうに横たわる海
夢、それは陽炎
つかんだつもりで浮かれるのが世の運命(さだめ)
誰のために…?
それは自分のため?
いや、遠い約束を忘れてしまった友へ
ただ…
現実を見失ってがむしゃらに走る
彷徨の疾風(かぜ)
真実は如何に?
見出せない幻を目指して、倒れる
儚い夢追い人は─物語の如く─
無垢な心のままこの世を歩く
『聖者』には誰とてなりえない
“今”を見つめて、ただ
情けなくも立ち尽くす夕暮れ