本当は何もかも忘れてしまった方が
幸福せだったのかもしれない
だけど僕は思いを伝える術をこれしか知らないから
昔話が誰かの時間を引き戻せるのなら
そこからもう一度─
たとえ今度もまた、何一つ伝えられなくても
遠い幻が踊ってる
いつかこんな日が来るだろうな─と
そう思い続けて少し、怯えてたのかもしれない
詩、書けなくなった
昔書いた自分の詩、読むのは辛かった
よく泣いてた頃の
何でも思ったことを書いてた日々の中
もっと強くなれたらと願いつつ
沸き立つ想いは途絶えることなく
夜空を見上げてた自分は遥か彼方にいた
詩、書くのは今も少し辛いけど
忘れたくない思い出が
忘れられない過去が脳裡をかすめて
─あの頃の友達が微笑(わら)ってる
もう、誰とも繋がりはない筈なのに─
遠い昔、もっと強くなりたいと願った頃の
ふつふつと浮かび上がる『想い』と『言葉』
あの頃の誰とも、もう連絡はないけれど
やっと目醒めることのできた日の中の
ほんのわずかの『きっかけ』と『巡り合わせ』
忘れたくない日々の思い出が
再び眠りかけた、とある春の夜に囁きかける
─忘れられない過去、巡り逢った人々は
まだ…、みんな忘れちゃいない─
そう囁きかけるのは10年も前の自分の姿
目を醒ましたところで周りに誰一人いないけど
想いを伝えることが─まだ─
まだ、できるなら