白い月
夜な夜な待ちわびて
ただぼんやりと眺め続けたあさぼらけの
そはなんとも言えぬ複雑な想いを映し
交錯して 絡む 春の夜
待ちわびて 待ちわびて
まいよまいよと同じように眺め続けて
それでも募り続ける想いは上弦なる月の様
たとえ時に雲に隠れる瞬間が来ても
それは単なる“未来”への間奏にすぎず
日々すこしずつ満ちてゆくのは白い月
夜な夜な待ちわびて
ただぼんやりと眺め続けて重ねた日々の
そは少し また少し姿を変えて
巡る想いにまた今宵も影が刺す
待ちわびて 待ちわびて
少し濡れる袖を夜空から覗くように
深く更け行く想いに昇るは十六夜の月
たとえこれから欠けていく日々が続いても
それは単なる“未来”への序章にすぎず
日々すこしずつ満ちてゆくのは白い月
そう思いて憑かれるように眺め続ける白い月