予感
1.
日暮れとともに風向きが
変わる
北から流れ込む最後の風が
気紛れに季節外れの雪を呼ぶ
2.
街外れの街灯は
散々と点っているのに何か
もの惜しげに小さく光る様は
ますます惨めなようでいて
明かりを受けて銀色に
照り返す燦然たる雪を見入り
夜が闇ではないことを思い出す
3.
河川敷の公園は
うっすらと雪化粧を纏って佇んで
踏み入れては刻まれる
土の足跡、また一つ
中央に聳える桜の木の下まで
伸びて
4.
見上げた先は闇に溶け
ただ
枝が風に揺れて、ざわめく
今はまだ雪に耐えるがままでいようと
いずれ桜の舞に挿し替わる