想い出詰まった綿帽子
春待つぼたん雪が降る
大好きだった貴方を想う
終わることなき囁きで
心の中に広がった
白く綺麗な綿帽子
いつも夢見るぼたん雪
僕は貴方を追っていた
ふわふわ輝くぼたん雪
ホタルのような綿帽子
貴方をそっと触れてみた
知らなかったよ冷たいよ
にわかにそれは溶け消えた
冬の人
てのひらでゆっくりと溶けたまま
もうそれっきり低くて白い空は黙ってた
まだ一面 雪景色
広がったままの思い出も
いずれ溶けて消えていく
本当に止まらないのは
時計の針ばっかりで
なにもかも雪解け水に流されて
白い雪化粧ももうすぐ終わる
胸の内にはゆっくり静かに
ぼやけ霞んでいくものばかりだけど
空が晴れ 青く染まったら
訪れる遅い春に待ち焦がれて
名も知らない
小さな小さな花が咲く
春光