入江機関クーデター事件報告書 (案)
入江機関クーデター事件について
■背景
入江機関 (以後、機関と呼称) に与えられている権限の
ひとつである、緊急マニュアル第34号に着目した何者
かが、これを何らかの意図に利用するために執行を画策。
機関副所長鷹野三佐と機関付部隊長小此木二尉を金銭で
買収。騒乱を目論んだものである。
■対応
機関権限を即時凍結。緊急時即応部隊が機関を急襲、こ
れを鎮圧した。
機関職員は全員投降。これを逮捕。身柄を上級司令部が
確保した。
入江機関付将校・士官について
■入江二佐 (所長)
本件査問委員会は二佐が本件無関与であることを確認。
ただし監督責任義務違反により、懲罰委員会へ引き渡す。
懲罰委員会は、二佐の所長職を罷免。身分を上級司令部
付とした。ただし、機関残務整理のため、機関への再出
向を命じられている。
■鷹野三佐 (副所長)
本件査問委員会は三佐が本件の首謀者であると断定。
調査部は三佐の背後関係を引き続き調査中である。
また機関の検査では三佐に高いレベルでの雛見沢症候群
発症が認められ、事件時、三佐には責任能力がなかった
可能性が指摘されている。
三佐の身柄は、末期発症予防のための機関に送致され、
現在、治療を受けている。
回復の目処が立った段階で、身柄を懲罰委員会に引き渡
す予定である。
■小此木二尉
本件査問委員会は二尉が本件の副犯格であると断定。
調査部は三佐に買収されたものと分析しているが、不審
な点も多く、背後関係を引き続き調査中である。
懲罰委員会は、二尉が積極的に聴取に応じ、本件解明に
貢献したとして、一部の罪状について司法取引に応じる
予定である。
入江機関について
当初方針通り、三ヶ年計画で研究業務を完全に終了予定。
上級司令部より新所長を派遣。前所長は新所長の監督下
で引き続き研究業務に当たる予定である。
雛見沢症候群撲滅後は研究区画を完全閉鎖し、地上診療
所部分は民間に売却する予定である。
なお、所長就任時の契約で、優先交渉権が入江二佐に与
えられていることを追記する。
その他
査問委員会の一部に、委員会の運営が正常な状態にない
との声があがっている。
本件の重要性を加味し、査問委員会の人選を改め、別の
切り口からの検証も必要ではないかと考える。
このような感じではいかがでしょうか。
ご決裁がいただければ、明晩に官邸へお届けいたします。
野村
※赤文字の部分は、原文では横線二本の訂正線で消されていました。
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