各種矯正装置について

被害を受けないためにどのような治療を受けているのか、装置の作用機序を認識しておきましょう。

エッジワイズ矯正装置
 歯に下の絵のような、ブラケットやチューブのついたバンドをくっつけて、そのブラケットの溝や、バンドのチューブにワイヤーを通します。
 ワイヤーを何回か変えて調節し、そのワイヤーの力によって歯を動かします。


下の写真のようなワイヤーを入れることによって、正しい歯並びになります。


エッジワイズ装置の各部分の名前


チンキャップ

 チンキャップは、下あごが大きかったり、前に突き出ている場合に、奥へひっこめたり、下あごの発育をおさえたりするのに使います。又は、治療が終わった後、もとにもどらない様に使う場合もあります。
 チンキャップは、長期間にわたって使わなければなりません。
思春期の成長がさかんな時期(通常、男子13〜16歳・女子10歳〜13歳)をすぎるまで使われることがほとんどです。

装着時間
 チンキャップは、夜寝ている時間と、勉強している時や、テレビを見たり、ラジオを聞いている時間をたして、毎日原則として、12時間以上つける様にしましょう。

 チンキャップを使用していないという医師もおられるようなので、よく理由を聞いて納得したうえで治療を受けましょう。


フェイシャルマスク (前方けん引装置)

 上あごを”前に出す"ために使われる装置です。
 下あごが前に出ている人の多くは、下あごが正常より大きくなりすぎるのとあわせて、上あごの成長が悪かったり、正常な位置よりも後にある場合などがあります。
 ですから、フェイシャルマスクは、この様な上あごが小さかったり、後ろの位置にある人を対象に使われるものです。
装着時間
フェイシャルマスクは、夜寝ている時間と、勉強している時やテレビを見たり本を読んでいる時間をたして、毎日原則として12時間以上つける様にしましょう。



ヘッドギアー

 ヘッドギアーは、上の奥歯や上あご全体を、後ろへ押す装置です。
これにより・・・・・・
@ 上あごの成長をおさえる。
A 上の奥歯を後ろへ動かす時、前歯を動かすすき間をつくる。
B 前歯を後ろへ動かす時、奥歯が前へ動きだすのをふせぐ。
      ・・・・・・などの働きで、前の歯をひっこめます。

装着時間
 ヘッドギアは、夜寝ている時間と、勉強している時やテレビを見ている時間をたして、毎日原則として一日に12時間以上つけるようにしましょう。
: ヘッドギアについては使用目的によって牽引力なども違ってきますので、目次10も参照してください。


アクチベーター (F・K・O)

 出っ歯や、うけ口の人に、使われる装置で、口のまわりの筋肉の力を利用して歯や顎を動かすのです。
装着時間
原則として、家にいる時は必ず使ってくださいね。
昼間に使う方が効果があります。(筋肉もめざめていますから)


拡大床

上あごや下あごを広げるための、撮りはずしができる矯正器具です。
これには、いろいろなタイプがありますが、どのタイプも床の中にネジがあって、1週間に一度、矢印の方向に90°まわします。この様にネジを回すことによって、幅が広くなり、少しずつ上あごや下あごを広げていくのです。
装着時間
歯磨きと、食事の時以外は、原則として24時間入れてくださいね。


セパレーター

@ セパレーターとは、小さな輪ゴムです。これを、歯と歯の間に入れることにより、そこに小さな”すきま”をつくります。
このすきまは、バンドを入れ易くするためのものです。
A 歯と歯の間がきつくて、セパレーターがはいらない場合は、ワイヤーを通して、”すきま”をつくります。


クワドヘリックス

 この装置を入れることによって、歯並びを横に広げようとする力がかかって、上あごがおきくなります。


ホールディングアーチ
 この装置は、上あごの奥歯が、前にずれてこない様に固定するものです。


リンガルアーチ

 この装置は、奥歯が前へずれてこないように固定するものです。
又、主線(太い土台になる線)に細いワイヤー(補助弾線といいます)をつけて、歯の移動を行う場合があります。


リップバンパー

 下のくちびるをかむ癖があると、下の前歯が内側にたおれ、上の前歯が前に出てきます。
 このような、悪い癖を取りのぞくために、リップバンパーが使われます。
また、下の奥歯が前に倒れてこないように固定する役目もあります。
装着時間
歯磨きの時以外は、原則として24時間つけて下さい。
(食事の時もつける様にしましょう)


エラスティック (輪ゴム)

 エラスティックとは、小さな輪ゴムで歯と歯にこのゴムをかけて、これがもとの大きさに縮もうとする力を利用して、歯並びを整えるのですよ!
 エラスティックには、いろいろなサイズがありますが、こちらでは、No.4, No.6, No.8, No.10の4種類を使っています。番号が大きくなるにつれて、ゴムの大きさも大きくなります。
っという事は・・・・・・サイズの違いは、歯に加わる力の違いをあらわしますので、指示された番号のゴムを間違いなく使うようにしてください。
装着時間
違和感はあると思いますが、24時間つけておきましょう。
特に、お食事中は、口を開け閉めする時に、一番力が加わりますので、お食事しにくいですが、早く治るためです。がんばって下さい。
(もしも、ゴムをのみ込んでも大丈夫です。ご心配なく。)


リテーナー (保定装置)

矯正治療が終わり、せっかくきれいに並んだ歯も、針金をはずすと、もとの位置にもどろうとします。
そのような、歯の後もどりを防ぐ役目をするのが、このリテーナーです。
リテーナーには、取りはずし式と固定式の2種類があります。
取りはずし式 固定式
装着時間
原則として、24時間はめておきましょう。お食事がしにくいと思いますが、なるべくお食事中にも、はめるようにして下さいね!


ポジショナー

ほんの少しの歯と歯のすき間や、ゆがみを治して、歯を正しい位置にとどめておくために使います。
透明なゴムのようなもので、できています。
装着時間
着脱方法や時間などは、その人によって、それぞれ違いますので、そのつど説明しますから、しっかりと聞いておいて下さい。
: 他にもいろいろな矯正装置があります

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