アルコール依存症・体の障害

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  アルコール依存症と体の障害を混同して考えることが多くありますが、体の障害はアルコール依存症に見られる症状の内の一つに過ぎません。しかし、多くの方は体の障害について関心が高いようです。アルコール依存症が関与する病名の一覧と、肝機能障害および脳障害に対する私の考えをまとめました。私は医師ではありませんので、誤解があるかも知れませんが、参考にしていただければ幸いです。又、誤りに気付かれた方がいらっしゃいましたら、メールを頂ければ出来る限り再調査の上修正いたしますのでご指摘下さるよう宜しくお願いします。


アルコール依存症が関与する病名一覧

障害発生部 病    名
肝  臓脂肪肝,アルコール性肝炎,肝硬変
胃  腸急性出血性胃炎,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,吸収不良性症候群
膵  臓急性膵炎,慢性膵炎
食  道食道炎,マロリー・ワイス症候群,食道静脈瘤,食道ガン
心  臓アルコール性心筋症
中枢神経ウェルニッケ・コルサコフ症候群,肝性脳症,ペラグラ脳症,
アルコール性小脳変性症,アルコール性認知症
末梢神経アルコール性多発神経炎
中毒性弱視
骨  格大腿骨壊死
筋  肉アルコール・ミオパチー
造  血貧血
代  謝糖尿病,痛風
その他インポテンツ,胎児性アルコール症候群



肝臓の機能障害に対する私の見解

  肝機能と言うと血液検査の数値をもって云々する方が多いように思います。この検査数値は主として破壊された肝細胞から漏れ出てくる酵素の血中濃度であり、数値が高いと細胞破壊が継続していることを表し、正常値であるからと言ってその機能が健全であるとは限りません。

  アル症のように、アルコールの摂取で肝細胞の破壊が続いているなら、アルコールの摂取を止めれば当然数値は低下します。しかし、長年の飲酒で肝臓のダメージが大きいと回復は遅くなり、個人差が大きく表れます。

  又、検査数値が低くなっても肝臓の細胞が再生された訳では無いのです。手に切り傷が有る場合出血しますが、検査数値の低下はこの出血が止まったことに過ぎず、傷の上から再び怪我をすると治りにくくなります。

  アルコールによる検査数値の間欠的な上昇と下降は、皮膚が治りきっていない間に新たな傷を作っているようなもので、これが繰り返されるとケロイドになります。そして皮膚細胞が再生されない状態に相当する肝臓の障害が肝硬変です。

  私の場合は、アルコールの障害が肝臓と膵臓に顕著に表れていましたが、今は検査数値は正常値です。肝硬変までは進んでいませんでしたが、細胞の修復がなされた訳では無いと考えています。医師からはこの修復に3〜5年は要し、それまで肥えることは出来ないでしょうと言われました。そして、今も痩せすぎの状態が続いています。




脳の機能障害に対する私の見解

  アルコールの障害は、人によって現れてくるところが異なり脳細胞の萎縮が認められる人も多く、老化が20〜30年加速されると聞きました。この場合でもアルコール性痴呆に達していなければ、断酒継続により回復する確率が高いとも聞きました。

  アルコール性脳症にも急性と慢性があり、慢性の場合には器質性脳症が優位となります。この場合、他の原因による脳症の典型例に近づいて行くアルコール性の脳症を、移行性脳症と呼び、判断能力の低下,情緒不安定,攻撃性,否認,知的能力の障害,抽象能力の障害等・・・様々な症状が出現します。これらの障害は、断酒継続により改善が見られるものの、下図に示すようにアルコール依存症の後遺精神障害の回復には時間が要です。
  これらの症状の内、抑うつ,妄想観念等については断酒10年で一般人口と同じ比率まで低下しますが、強迫衝動尺度では認知障害が残るようです。

脳の回復

  又、アルコール性痴呆についても、その定義や可逆性について現在研究途上と見るのが正しいようです。いずれにしても、老化促進剤の効果を持つアルコールは、脳細胞の萎縮だけではなく器質性の性格変化も引き起こすが、断酒を長期間にわたって継続すれば回復は可能です。

  私の場合、職業上抽象的能力の低下は致命傷であり、アルコールの害が脳に大きな影響を及ぼすと知ったことが、お酒を諦めることにつながった大きな要因の一つです。でも、長期間を要するが回復の見込みがあると知ったことは喜びです!

  脳細胞に対しては刺激が最も良い薬ではないかと思います。これには、人前で話をする断酒会やAAでの体験談は、アル症からの回復と脳細胞への刺激を兼ね備えた一石二鳥の治療方法だと思います。気になる方には是非試して下さい。





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