アルコール依存症に及ぼす栄養素の影響

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アルコール依存症は慢性の下痢を伴い栄養素が不足する

  アル症の治療に栄養素の助けを借りると云う考え方があり、私はこの考え方に賛成です。私なりに、アル症が原因で鬱状態に陥った場合に、鬱病の観点からも栄養素の助けが必要な理由を考えてみました。

  アル症と鬱病の関係を考えるさい、置かれている状況や負荷されているストレスの状態が異なるのに、類似症状が多いことに気づきます。これは、アル症につきものの慢性の下痢が関係しており、慢性の下痢が、ストレスに対抗する栄養素や、お酒で受けたダメージを緩和してくれる栄養素を欠乏させているものと思います。

  行動や思考は脳内の神経伝達物質の影響を受け、栄養の摂取状況により神経伝達物質の生成量が変化するものです。アル症の場合、慢性の下痢によりこの栄養素の供給が不足していると考えられるのです。結果として、ノルアドレナリンやセロトニンが減少し鬱症状を引き出し、これに、アルコールによる脳細胞への影響(神経伝達物質受容体機構の変化)とカルシュウムの代謝障害が追い討ちをかけてしまいます。

  そして、日常的に飲酒していることにより、体内にアルコールのある状態が常態となり、アルコールの無い状態では異常を感じるようになり、体が、脳がお酒を飲ませるようになります。アル症者がはお酒を飲んでしまうのは、病気の症状なのです。

  この考えが正しいとするなら、慢性の下痢に苦しみだしたアル症の人間は鬱病への道を辿っていることになります。性格的にもアル症と鬱病は似たような人間がなりやすく、アル症が原因で鬱病になっている場合、まずお酒を断ち栄養状態を良くすることが必要だと思います。

  しかし、アル症者がお酒を断つには、アル症と言う病気の本質を知る必要があると思います。一杯の酒が、腹いっぱい、体が受け付ける限度までの飲酒になってしまうことを知る必要があるのです。だからこそ、断酒が必要なのであり、ビタミンやミネラルの不足を補い、離脱症状を抑える等により、お酒を飲みたくなってしまう症状を軽減しなければ断酒は難しいと思うのです。

  栄養状態を改善するために断酒しなければならないのに、栄養状態の悪化が断酒を困難なものにする。ここにも、アル症の悪循環があるのです。

  鬱病の場合、精神的なストレスの緩和と薬物療法に主眼がおかれていると思いますが、アル症が原因の場合、ストレスの緩和のためにとお酒を飲むことは禁物です。

  私は、飲酒時代、お酒を止めることは簡単だが、ストレスの緩和と、肉体的なダメージと、どちらが良いか等と考えたことがあります。これは、明らかにお酒を飲みつづけるための理由作りであり、自分は何時でもお酒を止める事が出来ると思いたかったのです。

  私の経験では、お酒を飲むことによりストレスが緩和されたのはアル症になる以前のことであり、アル症になってからは、お酒を飲みつづけることは一時的な逃避でしかありませんでした。お酒を飲むことにより問題解決能力は低下しており、結果としてストレスは増大する。そして問題に取り組むための気力が萎えることにより、慢性のストレス過多となり鬱状態になって行きました。そして、前述の栄養素の摂取不足が回復を遠ざけていたことに気付いていなかったのす。

  この栄養素は食品に含まれている自然な物質であり人間が合成したり、特殊な動植物から抽出した「薬」とは本質的に異なるものです。その働きや摂取すべきビタミンの種類についても、いつか私が知っていることを整理して、このHPにアップするようにしたいと思います。しかし、素人判断よりはまず玄人、医師の力を借りて見ませんか。

  アルコールは薬物です、脳内神経伝達物質の授受にも影響します。脳細胞の器質的な変化も生じるのです。そんな薬物を長年大量に摂取し続ければ、感情にも影響が出るのは当然です。そんな状態で断酒を開始しなければならないのですから、独力で断酒することはとてつもなく困難なことなのです。まずは、アルコール専門医の治療を受け、離脱症状を軽減するとともに、感情面で問題があれば抗鬱剤他の処方を受け、脳内伝達物質の授受を矯正する等、医療の力を借りることが断酒、ひいてはアルコール依存症からの回復の近道なのです。

平成17年1月15日 加筆


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