事件/事故の責任

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アルコール依存症の人が引き起こす事件/事故と家族との関係

  アルコール依存症の人が引き起こす事件/事故、その責任は本人にあるのですが、家族もお酒が引き起こす事件/事故に巻き込まれていく場合が多いようです。この事件/事故と家族の関係について考えてみました。

  事件/事故の種類には様々なものがあり、
  「飲酒運転をして他人を死に追いやった場合」
  「飲酒が原因で喧嘩をし、人に怪我を負わしたり器物破損をした場合」
  「飲酒が原因で仕事を休み、無断欠勤を理由に解雇された場合」
  「飲酒が原因で、帰宅途上負傷し入院した場合」
などが考えられます。
  これらの事件/事故の最初の2文字、飲酒を削除した場合に、家族の行動はどのようになるでしょうか?

  車の運転で死亡事故を起こした場合は、その原因分析により刑事責任が決定されるとともに、民事として遺族への保証が必要となります。これに飲酒と言う文字がつくと、刑事責任は重く、重罪となります。その他の条件が同一でも飲酒していれば、運転に伴う義務違反が罪を重くするのです。

  喧嘩や欠勤、帰宅途上の負傷にしても、飲酒と言う文字がつき、頻繁に問題を起こしている場合には、本人の意図的な不注意が大きく関与したことと見なされ、責任が重くなることは同じだと思います。
  これが、初めての大量飲酒であれば周囲の判断は大きく異なります。いずれも初犯での注意処分程度の対応になるのではないでしょうか?
  初犯では罪が軽く、常習の場合は罪が重くなるのですが、アル症の場合は常習者に該当します。

  世間の常識で初犯の罪が軽くなるのは、その責任の重大さに気付き、再び犯罪を犯す者が少ないからです。これと照らし合わせた場合、アル症は悪質な常習者との判断になります。

  これを病気による責任能力の欠如と見なす場合には、アル症の人間は精神病院に隔離されるでしょうし、本人が責任能力があると主張して、社会生活をおくっているのであれば、これらの事件/事故の責任は本人にあります。

  ですから、飲酒により自分が粗暴になると認識していた場合に、人を傷つけるようなことがあれば「未必の故意」となり、刑が重くなります。

  その事を判った上で、事件/事故と家族の関わりについて考える必要があります。 事件/事故の加害者は本人であり、家族は被害者です。しかし、被害を受けた第三者から見ると、加害者のそばに居る被害者なのです。

  本来周囲の人に対して迷惑をかけた場合、その謝罪は迷惑をかけた本人が行うものであり、本人の謝罪なくして、周囲の人が許す訳がありません。本人に罪の意識がなければ、再び同じ事を起こすからです。

  本人が謝罪をする場合にサポートする、そのサポートが家族の出来る協力であり、本人に代わる家族の謝罪だけでは受け入れられないものだと思います。
  アル症の人間にその罪の意識があっても、同じ事を繰り返すと、周囲からは罪の意識が無いものとみなされ、同じ問題を繰り返して起こしてしまう人の家族も敬遠されてしまいます。

  その結果、家族にはアル症の人間からの被害に加え、周囲の人から疎外されるという問題が発生し、このダブルパンチが家族の方を打ちのめし、疲れを倍化してしまうのだと思います。この状態が酷くなると、家庭は崩壊します。家族は、アル症の人間と別れて暮らさなくてはならなくなります。家族の方は、アル症の人の状態が悪くなった時、別居や離婚に対して躊躇する必要は無いと思います。その原因を作ったのは、アル症の人間なのですから。ご自分の心に従ってください、家族の方が道連れになり命を縮める必要はないのです。

  アルコール依存症者である私は、飲酒当時これに気付いていませんでした。気付くチャンスはいくらでもあったのですが、眼を閉じていました。家族のことに目を向ける余裕が無かったのです。幸いにも、私は家族と別れるような事態になる前に、断酒することが出来ました。
  何とか、別居や離婚を回避出来るうちに、断酒して回復される方が増えることを願っています。別居や離婚が、アル症の底付きになる方もいらっしゃるのですが、そのまま孤立を深め、益々命を縮めてしまわれる方も多いのです。

  無銭飲食や無賃乗車等の場合、お金を払わなければ詐欺罪ということになりますが、アル症の人は飲酒時には記憶の無くなる場合が多く、後からでもお金を支払う意思と能力があれば、詐欺罪は成立しないようです。又、家族の方や友人がお金を支払った場合や、本人に支払能力の無い場合でも起訴はされないそうです。
  アル症は精神疾患として認定されており、医療費の軽減処置や飲酒時の事件に対しては「精神喪失」また は「静神抗弱」という状況の中で行なわれた行為として刑の軽減もあるようです。それらの、保護を必要とする前に、問題を解決する方法があるのです。

  今、お酒を止めたいと思っている方がこのページを読まれたのでしたら、是非家族のことも考えて下さい。そして、別れて暮らさなくてはならなくなるまでに、断酒に踏み切って下さい。それは辛いものです、でも、断酒しなければ、その苦しみは益々大きなものになるのですから。


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  アルコール依存症が引き起こす事件/事故について、私の意見は病気の側面から保護すべき内容についての配慮が不足しているようです。刑事責任に関する法的な取り扱いについて、経験豊富な先輩からご指摘を頂き、再調査の上不適切な表現を修正するとともに、ご指摘の内容を追記しました。
個人的な意見は、簡単には修正が効きません。私の意見にはまだまだ配慮不足が残っていると思いますので、その点を加味してお読み下さい。

<誤りを指摘いただいた先輩に感謝して    平成13年6月2日    アル中の二郎>