お酒にとらわれた心

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アルコール依存症が進行し、お酒に心がとらわれていたころの私

  会社を休みがちになり精神的にダウンしていた頃、休日に会社からの呼び出しがありました。行き着けのスナックのメンバーと気晴らしで海水浴に出かける約束をしていた日です。
  スナックのメンバーと海水浴に行くのも億劫でしたが、呼び出しの電話があった時にはすでにお酒を飲んでいました。しかたが無いので、お風呂に入りお酒を覚ましてから出社しましたが、来るのが遅い、お酒の匂いがすると注意されました。

  それ以降、休日であっても朝からお酒を飲むのは止めようとしましたが、守れませんでした。今日は休みだ、休みの日ぐらい自分の好きなように過ごしたい。(好きなことが、お酒を飲むことになっていたのです。)でも、会社から呼び出しがあっては・・・。
  なんとかお昼まで我慢しても、昼食時に外に出るとビールを飲んでしまいます。一本のつもりで飲み始めても3本は飲んでしまいます。帰宅時には手にビールの1リッター缶3本はぶら下げていました。酒のつまみも同時に買って帰ります。そして飲みつかれて寝てしまう。目が覚めればまた飲み始める、その繰り返しです。

  あまり飲みすぎると身体に悪いから、買い置きの量を減らす、そしてお酒が無くなると、買いに行くべきか止めるべきか? 止めようとは思うのですが、出来ません!
  家の中を歩き回って、今日はもう止めよう、明日にしよう! そう言い聞かせて座っては、立ち上がり「今日は休みだ自分の金でお酒を飲んで何が悪い、酒飲みが酒で身体を壊しても、酒で死んでも本望じゃないか!」心の中の言葉に負けビールを買いに行ってしまいます。そして、再びお酒を買いに出なくても良いようにウイスキーも買って帰ります。

  たまに出社しても帰りはスナックに直行です。行きつけのスナックが多かったので、帰りはマスターが家まで送ってくれていました。でも、私は酔っ払うと歩いて一人で家に帰ってしまうクセがありました。良くスナックの人が心配して、家路の方角へ車でさがしもらったそうです。(覚えていません)

  ある時、目が覚めると道端で寝ていました、新聞配達の人、牛乳配達の人、早朝の人の働く気配で目覚めました。スナックから家まで約1時間の道のり、酔っ払って歩ききれなかったのだと思います。

  又、ある時目が覚めると家で自分の布団で寝ているのですが、何かおかしい?
  煙たいのです。寝タバコで布団に火がついていました。寝ぼけ眼で火を消し、布団に水をかけ冷たい布団の上に横になりました。でも、火は消えていませんでした。さらに水をかけ、火をけして眠る。目覚めた時には布団だけではなく畳まで濡らしていました。もうお酒は止めよう、一人で死ぬだけならともかく隣近所まで迷惑をかけるかもしれないから!!

  でも、その日のお昼にはもう飲んでいました。
  何故? お酒は飲まないと決めたのでは?
  でも、布団を焦がしただけでボヤにもなっていないのだから大丈夫!
  今日はビール1本だけにしておけば良いのだから・・・。
  守れませんでした。

  お酒を飲んでしまう自分に嫌気がさしました。自分と約束したのに、自分で破ってしまう、お酒を飲みながら情けなかったのですが、酔ってくると忘れることが出来ました。そして何も覚えていない空白の時間がそこにはありました。

  アルコール依存症が、お酒を飲んでしまう、止められなくなる病気だとは知りませんでした。精神的なダメージがこんなに自分を意志の弱い人間にしてしまった。元気溌剌な自分は何処に行ったのだろう?
  あの明るい性格で人に好かれた自分は何処に行ったのだろう?
  もう、自分は立ち直れないと思いました。そう思うと、情けなくてお酒を飲まずには居れませんでした。

  アルコール依存症、自分まで否定してしまう悲しい病気です。当時、独身であったことが僅かながらの救いです。




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