あなたはどのような質問をしたでしょうか。
注目したいのは、例えばあなたが規則を「連続する偶数の列」であると
推測したとしたとき、あなたの推測を肯定する数列を挙げた
(「10・12・14」など)か、否定する数列を挙げた(「1・3・5」など)かです。
多くの人は自分の推測を肯定する数列を挙げたがるのですが、
重要なのは、肯定する数列をいくら挙げたところで正解には
ほとんど近づかない、ということです。
何故なら、先ほどの例で言うと、「1・3・5」を挙げて「イエス」
が返ってきた場合、自分の推測が間違っており、少なくとも
「偶数の列」という推定は否定できますが、「10・12・14」で
「イエス」の答えを得ても、何も前進しないからです。
人が、自分の推測に肯定的な答えを得て確信を得たがる傾向を
「確証バイアス」と呼びます。以下、確証バイアスについて
簡単に解説しますが、その前に一応数列の規則の答えを。
答えは、単に「増加する数列」です。
肯定的な数列を挙げてばかりでは、なかなかこの答えには
辿りつけないでしょう。
<確証バイアスについて>
さて、確証バイアスはどのような場面で現れるでしょうか。
例えば血液型と性格の関係を考えてみましょう。
「A型は几帳面」だと確信している人は、その確信を肯定する事例、つまり
几帳面なA型を探そうとします。世の中いろんな人がいますから、几帳面なA型は
結構な頻度で見つかるでしょう。その度にその人は確信を強めていきます。
しかし、几帳面でないA型もたくさんいるはずなのです。
ところが確証バイアスがかかっている人は、その事例を半ば無意識のうちに
例外として無視してしまいます。言い方を変えると、自分の確信にあてはまる
事例は印象に残りやすく、あてはまらない事例は忘れやすいのです。
現在、血液型と性格の関係性は証明されていませんが、にもかかわらず
多くの人が信じているのは、このような心の働きが関係しているのです。