Q98 婆子焼庵
ある老婆が一人の修行僧を見込み、草庵を建ててやった上に
食事を与えて面倒を見続けました。その間僧は修行に励み、
実に20年が経ちました。
老婆は僧の修行の成果を見ようと、若い娘に僧を誘惑させました。
娘が僧に抱きつき甘い言葉をかけると、僧は
「枯木寒厳に倚り、三冬暖気なし
(枯れ木に岩が寄り添うようなもので、厳しい冬のように暖かくない)」
と言って娘を振り払いました。
ところが老婆は娘からその話を聞くとたいそう怒り、僧を追い出した上に
草庵を焼き払ってしまいました。
これは「婆子焼庵(ばすしょうあん)」という禅の公案ですが、
何故僧は追い出されたのでしょう。どうすれば良かったのでしょうか。