スピーカーのチャンネルって?

バーチャルリアリティーなんて言葉がここ10年の間さかんに言われていますが
これは何も視覚に限ったことではなく、聴覚に関しても当てはまる言葉です
PCをはじめDVDなどの普及に伴って、より迫力のある立体的なサウンドを
と考えスピーカーに興味を示される方も多いと思います

さて、店頭などでPCのサウンドカードなどを見ていると
「5.1ch対応」とか「4chサラウンド」
などといった文字を見かけることもあるのではないでしょうか?
これは一体どういう意味なのでしょうか?
質問を頂きましたので、コンテンツとして立ち上げることにしました


スピーカーの位置と役割と名称

まず、スピーカーの位置と役割について触れてみます
他のコンテンツでも解説していますが、人間の耳は両側についています
横断歩道を渡ろうとしていたら救急車が目の前を通りすぎたという場合をみてみましょう
右側から救急車が来て、左側に走り去ったことにしましょう(下図)

救急車が通過する時に救急車から人の耳に直接聞こえてくる音があります
これが図では水色矢印で描かれたものです
ではこの場合救急車が右側にいる時、人の左右の耳ではどちらが強く音を感じているでしょう?
答えは当然右の耳の方が強く感じています
一方通過して左側に行った場合は左の耳から強く感じます

さて、スピーカーが一つだけあったとしましょう
このスピーカーが通過する救急車の音を出そうとした場合それは可能でしょうか?
音は常に一箇所からしか出てきません
右が強くなったり、左が強くなったりというのを再現できないわけです
この状態を俗にモノラル言い換えれば1chになるわけです

そして、水色の線のように左右から音を出せるように
スピーカーを2つにした状態
これをステレオ、言い換えれば2chになります

では、同じ上図の黄緑色の線を見て下さい
この線は救急車からでた音の一部ですが直接人の耳に届かず
手前にあるビルに反射してから人の耳に届いています
音とは反射するものです

例えば救急車が通りすぎて、はるか左の方向へ走り去ったのに
なぜか右側からも音が聞こえてくる・・・なんて経験ありませんか?
これも一種のこの反射によるものです
お風呂場で声を出すと、カラオケのような余韻が残るのも
この反射によるものです

人の耳は意識していなくとも、これら反射した音を感じ取っています
さらに、例えば後ろから声をかけられたとしましょう
人間はこれを認知できませんか?
できますよね?
しかもその場合、前から声をかけられたのではなく
「後ろから声をかけられたのだ」と分かります
これはどういうことでしょうか?
人間は後方からの音も後方からの音として認識できるからなんです

さて、先ほどの上図の水色と黄緑の線
この4本がスピーカーの位置になると・・・
実に立体的な音が奏でられそうですね?

この前方左右2つ+後方左右2つこの状態を4chといいます
特に先ほどの「後方に反射した音の効果」のみとして後方スピーカーを使用する場合
この後方スピーカーのことをサラウンドスピーカーと呼びます

ここで人間の耳についてよく考えてみましょう
人間の耳は横〜前方向の音が良く聞こえるような形になっていますね
では前方向に着目して、先ほどの救急車の図を見てみます
右にいる時、左にいるときはわかりました
では真正面にいるときはどうでしょう?
この場合、両耳からほぼ均等に聞こえることになるわけですが
ステレオ(2ch)でこれは表現が可能でしょうか?
答えは可能です(笑)
ですが・・・そこにもう一つ音を出してくれるスピーカーが置いてあったとしたら・・・
流石にそれには勝てません
より立体的、空間的なサウンドを表現するためには
正面中央にもスピーカーがあった方がより迫力が出ます
この前方左右+前方中央+後方左右、これを5chといいます


5.1chとは?

上記説明で5chまでの意味はわかってもらえたと思います
では5.1chとはどういうことでしょう?
最近の主流はこの5.1chです
この5.1chの5は上記5chを意味しています
その中の1が問題なわけですが・・・
スピーカーにはレンジと呼ばれるものがあります
かといってこれは料理を温めるレンジではなく(お約束)、幅のことです
スピーカー、ヘッドフォン、マイクロフォンなど・・・店頭などで見たことがある方は
気がついたかも知れませんが・・・
周波数50Hz〜20KHz
なんて書きかた・・・(一般に真ん中のラの音は440Hzとされています)
これがスピーカーがどの周波数の音をもっとも得意として奏でられるかというものを示し
これを一般にレンジといいます
例えばオールレンジスピーカーといいますと、低音から高音まで全ての周波数が出せるスピーカーという意味です
つまり、スピーカーにはスピーカーの得意な範囲というのがあるのです
それは主にスピーカー部の大きさと箱の大きさによって決まるのですが
映画館なんかに行きますと
体中に振動がくるようなすごい重低音がでていますよね
それによって、立体的なサウンドがさらに迫力をもっています
これは、重低音を得意とするウーファーというスピーカーによるものです
この低音を得意とするスピーカーこそが5.1の1に当てはまります
通常センタースピーカーの下に設置しますので
6chとしてしまうと少し解釈が変わってしまいます
そこで5.1chという呼ばれ方をします


実例とch(チャンネル)

上記解説した人間とスピーカーの関係を図にしました

2ch 4ch
5ch 5.1ch
<語意>リスナー:人間、フロント:前方、リア:後方、レフト:左方、ライト:右方、センター:中央

さて、最後になぜ「ch(チェンネル)」なのかを解説します
チャンネルとはそもそもどういう意味でしょう?
これは異なった信号を送信する場合の各ラインとでも言いましょうか・・・
つまり、前方左側に送信する音と、前方右側に送信する音は別のものです
別のものである以上、別のラインを使ってバラバラに送信してやります
言い換えれば・・・
例え4chと同じスピーカー数で同じ配置をしていても
前方のラインをそれぞれ2本に分岐して4つにした場合
これは2chです
4chにはなりません
言うなれば「なんちゃって4ch」ですね(笑)


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