MP3の仕組み

MP3というファイル規格はみなさんすでに馴染みのあるものだと思います
CDクォリティーの44.1Khzのサンプリング周波数のWAVEを音質をほとんど損なわずに
約1/10のファイルサイズに圧縮してくれています
では、このMP3はどういう仕掛けがあってこんなにファイルサイズを抑えているのでしょう?
それをわかりやすく解説します


まず、復習としてサンプリングレートなどの意味をこちらで再確認してください
例えば44.1Khzのサンプリング周波数のWAVEにはどのような音域の音が入っているのか
各周波数ごとの出力レベルが表示される再生ツールなどを使用したことがある方は視覚的に見たことがあると思いますが
実に広い範囲の周波数の音が使われています
(サンプリング周波数と周波数は別意ですので誤解のないように)
他のコンテンツでも触れていますが、一般に「真ん中のラ」といわれる音の周波数は440hzとされています
(人によっては444hzを好む人などもいるのでラ=440hzというわけではありません)
高校の物理なんかで実際に周波数ごとの波形を見せてもらったことがある人もいるかもしれません
低音ほど波が大きく、高音ほど細かかったと思います
このように様々な周波数帯の音がサンプリング周波数44.1Khzでデータ化されたものが
44.1KhzのWAVEファイルということになります


人間様の体の特性を知ろう

さて、ここで視点を人間様に向けて見ましょう
よく電車の中などでイヤフォンから音がシャカシャカもれてる人がいますね
さて、ここで一つの疑問

なぜ他の音はあんまり聞こえないのにシャカシャカという音だけはよく聞こえるのか?

人間様にはよく言えばもっとも感度の良い、悪く言えばもっとも耳につく周波数帯があります
一般には3Khzを中心に2〜4Khzあたりがそうなのですが
ドラムのハイハットやシンバルなどはちょうどこの周波数帯に近いわけです
そこで、そういう音だけが良く聞こえてしまうわけですね

つぎに、改造して太いマフラーをしている車なんかを見かけることがあると思いますが
その車がアイドリング状態にあるときに目隠しをしてぐるぐる回って方向感覚を狂わせて下さい
そして、その車の位置を当ててみましょう

マフラーの規格なんかにもよりますが、人間様はあまりに低周波な音はどこに音源があるのか判断できません
このことは、ウーファースピーカーを導入している人は不思議に思ったことがあるかもしれませんが
ご丁寧にステレオ再生だけでなくサラウンドスピーカーまでつけて立体的な空間を演出しているのに
なぜウーファーは一個しかないの?
もう理由はおわかりですね(笑)
どこにおいてもどこに音源があるかなんてほとんど認識できないから一個あれば十分なんです(笑)
真ん中においておけばまず間違いなく違和感を感じることはありません

こんな面白い人間様の音に対する感覚ですがもっと低周波だったらどうなるでしょう?
反対にものすご〜く高周波だったらどうでしょう?

コウモリは超音波を発して反射した超音波を感知することで障害物や獲物などを認識する
という話を聞いたことがある人も多いと思います
そして、実際に飛んでるコウモリなんかを見たことがある人もいるかと思います
なんか音だしてました?
羽音ぐらいしか聞こえないですよね?

つまり、コウモリは人間様が聞き取れる周波数を超えた周波数の音を出していることになります
言い換えれば、人間様には聞き取れない周波数が存在することになるわけです

人によって個人差もあるようですが、一般的に人間様が聞き取れる周波数帯は
20hz〜20Khzと言われています
この範囲以外の音(超低周波、超高周波)は人間様は発音されてることもわかりません
時々20Khzを越えた音も聞き取れる人もいるみたいですが、おおよそこの範囲だと思ってください

さらに、聞き取れるのは聞き取れるけれども、ほとんど認識できないような周波数帯
20〜60hz、16Khz〜20Khz
こんなのもあるわけです


つまりMP3とは?

世の中の音はこれらの周波数の音もふんだんに盛り込んでいるわけですが
どうせしっかり聞き取れないし、なくなってもほとんど違和感がないような音なんだから
その分カットしちゃいましょう
というわけで、人間様がほとんど認識できない範囲の音をカットしちゃってデータ化したファイルが
本題であるMP3なわけです

言い換えると、生演奏とは程遠く、CDよりもたちの悪い手抜きファイルなわけですが
どうせ人間様は大してわかんないので、問題ないわけですな

それでも、例えば、ある音楽CDを44.1KhzのWAVEデータと
128KbpsのMP3ファイル(どちらもCD音質とされている)にして
聞き比べてみましょう

言われなければあんまり意識してないので気が付かなかったけれども
MP3はなんかこもった感じに聞こえてきます
低音も高音もWAVEに比べるとはるかに弱いんですね
気が付かないけれども、気付いている人間様の体の不思議を実にうまく利用してます

MP3は音が悪いなんて言う人もいますが音そのものが悪いわけではなく
音が一部ないだけなんですね(笑)

しかし、作者(作曲家や編曲家)の意図する本来の音ではないとはいえ
限りなく本来の音に近く、それでいてファイルサイズがものすごく小さいわけですから便利ですよね(笑)


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