Out of standard #41
シネコン改造論

シネマコンプレックス。 通称、シネコン。
ショッピングセンターと併設された複合型映画館をそう呼びます。

レイトショーやレディースデイ、メンズデイ等、独自の割引システムを打ち出したり、
広く快適な座席、新しく大きなスクリーン、
膝掛けのレンタルやプレミアシート等、細かいサービスに至るまで気を配った

まさに映画好きのパラダイス。

あぁそうですとも。
映画好きの私にとっては、本屋に並ぶ「心のオアシス」。

一見、なにも改良する点などないように思えるシネコン。
が、しかーし。
不満な点が幾つか散見されたので、今回はシネコンをテーマにしてみたいと思います。


やっぱね、映画館って「疑似体験」の場だと私は思うのよ。
日常ではとても出来ないアクションシーンに心躍らせたり、
現実ではとても体験したくないようなホラーシーンに身をすくめたり、
とろけるようなラブシーンでうっとりしたり。

だからさ、シネコンって音響とかに特に力を入れてるわけだ。
臨場感をよりリアルにするためにさ。

でも、もう一歩なんだなぁ。オイラに言わせると。
そこら辺はもう、「アトラクション」のレベルまで高めていけばいいと思うのね。

アクション映画では不可欠な、派手な爆破シーン。
それはもう、映像と音響で迫力は満点かも知れないけど、
そこはそれ、リアリティに欠けるのよね。
やっぱりさ、派手な爆破シーンでは

 どこかの席が爆発

の演出。

これでしょ。
吹き上がる熱風、吹き飛ぶ観客、どよめく館内。
血湧き肉躍れと。

爆破シーン一回につき、どこかの席が爆破。
もうドキドキも半端なじゃないよね。
席に着くなり、強制的に外れないベルトで固定されたりしてね。

爆破シーン一回につき、一座席爆破だから、
「コマンドー」とか「ランボー」なんか公開したら、映画が終わる前に観客が全滅してるよね。

欲を言えば、爆破シーンじゃなくても

 携帯電話の呼び出し音が鳴った席

も爆破。

特に念入りに発破して欲しいね。
吹き上がる熱風、吹き飛ぶ携帯、よろこぶ館内。


そうなるとさ、やっぱり銃撃シーンなんかも

 容赦なく頭上を飛び交う弾幕

の演出がいるね。
主人公が足を撃たれるシーンとかでは、

 客全員の足も同時に撃たれる

痛みを分け合う涙の演出。
老若男女分け隔て無く負傷。

銃撃シーンがなくても、

 携帯電話の呼び出し音が鳴った席

は一点集中放火で。

ついでに、

 靴を脱いで前の座席に足を放り投げてる行儀の悪い客

これも狙撃で。
演出+客のマナー向上にも一役買うわけだね。


ホラー映画で緊張するシーンになった時は、

 いつの間にか館内に稲川淳二が

現われて、

 「うわー。ヤバいぜ、ここ。ヤバいなー。」

って言い残して消えたりね。
持参の心霊写真を見せて

 「ほらー、ここに顔があるでしょー。
 これねー、見るたびに表情が違うんだなー。これがなー。」

とか言い残して消えたりね。
映画よりもソッチが気になったりする憎い演出。




ここまで演出に力を入れたら




大問題になるね。

まぁ、個人的には
 携帯電話の呼び出し音
が絶無されれば何も言うことはないんだけど。