Out of standard #43
トムとジェリーと愉快な仲間達

オイラの現住居である官舎に、どうもネズミが住み着いているようです。

朝、昼、晩と、天井の至る所から

   カリカリカリカリ
                カリカリカリ
 カリカリカリカリ
                        カリカリカリ
    カリカリカリカリ



開通する勢いで『何か』を一生懸命かじっているご様子。

これは困りました。

開通しようものなら、
飢えた彼らが居住スペースへ侵略してくるのは自明の理。
ディズニー大好きな嫁ですら、今ではすっかり
ミッキーマウスを見ると悲鳴を上げるまでに。(嘘)


いや、なにげに書いてますけどね。
ネズミですよ。天井にネズミ。
野生のネズミ。
ネズミなんて、ハツカネズミだのハムスターだの、
いわば愛玩の対象としてしか生で見たことがないのに

「野生」ですよ。

ていうか
現代の若者が頭を悩ませるモノ・ベスト50にも絶対入らないだろ。天井裏のネズミて。


ともかく、かくしてネズミとの戦いは幕を切ったわけであります。

しかし。
ゴキブリ駆除の薬剤を選んだことはありますが、
ネズミ駆除の薬剤なんて見向きもしなかったのに。
大体、ネズミ退治の薬剤なんて、市販されてるのかい。





普通に売ってました。


 置くだけでOK!よく食べ、よく死にます!

 「配置式毒エサ」。


 置いた翌日から効き目が!面白いように死にます!

 「速攻型毒エサ」。


 ネズミはエサを巣に持ち帰って食べる習性があります!皆殺しです!

 「連鎖式毒エサ」。


…爽やかに恐ろしい文言が。
そんな中、どこかで見たようなデザインの物が。


「ネズミホイホイ」。




誰が始末するんだ。そのシート。

この『ネズミホイホイ』、
実に、ゴキブリホイホイの10倍くらいのデカさ。




どこに置くんだ。そんな巨大なモノ。

しかも「屋根」がついてません。




死骸丸見えかよ。


いきなり臆してしまいました。
こういう時は、先輩に聞くべし。
築100年くらい経ってそうな家にすんでる農家のばあちゃんちに電話。

 「あ、ばあちゃん?オレオレ。」

ガチャン。
切られました。

振り込め詐欺じゃねえっての。
最近はお婆ちゃんの家に電話するのも難儀な時代になりました。
再度電話。

 「ばあちゃん、詐欺じゃないから。孫だから。
 実はな、最近天井にネズミが住み着きだしたらしいんやけど、どうすればええのか聞こうと思って。」

 「ネズミけー。」

 「うん。何かカリカリとかじってるみたいやねん。」

 「そりゃ天井に穴開けとるわ。穴開いたら、寝てるお前の耳をかじるんや。」

助けを求めた人間に脅しをかけるあたり、さすが我が祖母。

 「…だから退治しようと思うんやけど、なんかいい手ないかな。」

 「ウチの『ケイコ』貸そか。」

 「『ケイコ』って…ばあちゃんちで飼ってる猫?」

 「ネズミ捕まえるんが猫の仕事やろ。」

10年以上生きて、半分「化け猫」と化してる猫に退治出来れば苦労はしない。

 「ばあちゃんちはネズミ出んの?」

 「よう出てたわ。」

 「今はおらんねや。やっぱり毒エサ?」

 「うんにゃ、ねずみ取りも毒エサも撒いとったけど、あまり効かなんだ。」

 「へー。」

 「たまに見たこと無い動物がかかるしの。」

80年以上生きてるおばばが見たこと無い動物、ってのも気になるが。

 「どうやって追い出したん?」

 「ネズミ言うても所詮は鬼畜や。本能で自分より強いもんは恐いねん。」

 「どういう意味?」

 「定期的に天井に上がってな、ネズミを追いかけるともう出てこんわ。」

 「ばあちゃん、定期的に天井にのぼって追いかけてたん?」

 「大声だしながらの。」

 「…」

 「やってみれ。」






猫の「ケイコ」よりも、ばあちゃんを貸して欲しい。

 

 

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