Out of standard #05
トイレの怪談
<attension! 汚い話が含まれています。その手の話が苦手な方はご遠慮下さい。>

怖い話じゃないです。 僕が中学の頃の話。
当時、昼休みに雨が降っていると、校舎内で鬼ごっこして遊ぶのが日常でした。

随分子供じみてるなぁ、とお思いでしょうか?

でもね、やってみるとこれがまた熱いんですよ。鬼ごっこ。
中途半端に子供より頭が回る分、鬼ごっこにも戦略性が増してたりして。
しかも足も小学校時代より速くなってますし、
普段おとなしい奴や、ちょっと悪ぶってる奴までマジになって追いかけてきますからね。

会社に置き換えて想像してみてください。
課長や部長がネクタイ振り乱しながら、会社内を全力疾走しながら自分を追いかけてくる所を。
はっきり言って怖いですよ。
 「こいつ、なんでこんなにマジになって追っかてくんねん?!」
って思いながら必死に逃げる私。
鬼ごっこにはきっと魔力がある。

その時も、グラウンドが雨で濡れてたのでいつものように鬼ごっこ開始。
範囲が決まっている分、逃げる方はいろんな所で隠れたりもするんですが、
私がトイレに隠れた時、強烈な匂いが…
自分で書いておきながら恥ずかしいお話ですが、
当時の中学では『学校のトイレで大。』はタブーだったんです。
今では問題になりそうな話ですが、
もちろん、そこで鬼ごっこは中断。「ウ〇チ狩り」が始まるわけです。

 バカ1(DS) 「おーい!誰かウ〇チしてるぅ!」

バカ中学生の呼びかけにわらわらと集まるバカ中学生集団。バカの祭典。

  バカ2 「おーい、誰やぁ?個室入ってる奴!」

  バカ3 「今すぐ出てきたら助けてやるぞー。」

 バカ4〜7 「…出てこんな。」「強情な奴や。」「致し方ない。」

個室のトイレは当然鍵が閉まったままなので、
おもむろに個室の上の隙間から侵入しようとする私。
そこで僕が見たものは…

個室内に人はおらず、カベ一面ウ〇コだらけの室内…

 バカ1(DS) 「きゃぁーーーーっ!」

生まれて初めて心のそこから出た自分の悲鳴が
思ってたより女性じみていた事にショックを受けつつも、慌ててホースを取りに走る私。
そして何がなんだか分からないままその場に置き去りにされた友人連中。

なんで私がその光景を見て、すぐにホースを取りに走ったのか、
その心理状態は今となっては分かりません。
ともあれ、用具室でホースを入手、急いで問題のトイレへ帰ったわけですが、
トイレのドアを開けた瞬間、私の目に飛び込んできたのは…

体当たりでドアをぶち破って室内へ消えていく友人A。

その後、校舎中に響き渡る「きゃぁーーーーっ!」の大合唱。
人間、本当に悲鳴が出ると男女関係無く「絹を裂くような悲鳴」になるんだと知った思春期の思い出。

多分、誰かがイタズラでやったんでしょう。
で、中から鍵をかけて上の隙間から脱出…そこまでする意図が分かりませんけども。
まぁ、昼休みに全力で鬼ごっこやったり、『大』してるだけで大騒ぎになってしまう
幼稚な私たちがいたくらいですから、そんなイタズラを考える人がいても何の不思議もないんだけど。

当然、体当たりで室内に転がり込んだ友人Aは、
その後卒業するまで「ベンキマン」というあだ名で第二の学生時代を元気に暮らしましたが。