Out of standard #13
有難う、ウメさん

去年の夏、グリーンスタジアム神戸へ、友人K、菅野美穂似の後輩Rと一緒に
『生・松坂を観に行こうツアー』を企画。
オリックスVS西武戦を観に行きました。
 「松坂の登板日は当日券が無いよ。」
と言う、事情通の先輩の話を参考に、登板予定日である次の日曜の試合を購入。
それまでは毎週日曜日に登板していた松坂でしたが、
観戦予定日の数日前に東尾監督の陰謀によって火曜日に登板する松坂。
悲鳴を上げる我ら3人。

そんな悲鳴をよそに、観戦の当日、淡々と目の前で打ち込まれる先発・森。
悲鳴が止まらない我ら3人。

『松坂を観ようツアー』なので、もちろん席は西武側。
しかもチョイと豪華に内野席。
オリックスのキャラクター達は、どんなに西部側の子供達が「ネッピー!」と叫んでも見向きもせず
オリックス側の子供達にだけ愛想を振舞っている…。
これでいいのか?

  K 「松坂ちゃうかったな…」

 DS 「森はコントロール悪いけど球早いねぇ。…横から見てるからかな?」

  R 「でも、オリックスの先発、星野ですよ!」


  K 「西武側やから応援も出来へんしなぁ。」

 DS 「横から見ても星野は球が遅いねぇ。」

  R 「西武側のおかげでイチローも正面から見れますよ!」


  K 「『せ〜の、イッチロー』っていう応援も出来ないよね。」

 DS 「イチローが投げる方が早いんじゃねーか?」

  R 「あ、仰木監督あくびした!」

などと、一切かみ合わない会話を交わしながらも
試合が進むに連れて気が付いた事が。

  K 「アレ?」

 DS 「…?」

  R 「…平塚…応援されてない…?」

そう。その年に阪神から移ってきた平塚がバッターボックスに立つと、
西武応援団が休んでるのです。
Kは阪神ファン。平塚は元・大洋の選手でもあるので、私も密かに応援していたのに…

  K 「なんでウメさん(平塚のあだ名)がバッターボックスに立つと応援止めんねん!」

 DS 「西武では歓迎されてない…ってことか?」

  R 「そんな… 感じわる〜い。」

2度目も、3度目も、平塚選手がバッターボックスに立つと応援が止み、静かになる球場。
いい加減、頭に来た私たちは声を揃えて叫んだ…

「平塚ぁああー!!負けんなぁああー!!」


それに呼応して、続けて声をかけてくれる他の西部ファンの人たち。

「ガンバレー!平塚ー!」
「平塚ぁ!打てー!」
「ホームラン打てー!」

さらには応援団にもヤジが飛ぶ…

「応援団!応援せえへんなら帰れや!!」

その声に反応し、ようやく平塚を応援し始める応援団。

…そして、タイムリーヒットを決める、男・ウメさん。




ベース上でコッチを見て手を上げてくれた平塚選手の姿、忘れないよ。
今シーズン限りでユニフォームを脱いでしまったけれど
最後に好きになれて良かった、と思える選手でした。




その後、ベンチに戻る平塚に
「横浜に返って来ーい!」と言ったら、近くのおっさんに

「何言うとるんじゃアホ!」

と、叱られました。 人間、調子に乗ってはいけない。というお話。