Out of standard #19
迷子に好かれるタイプ

私はよく、人に道を聞かれます。老若男女・国籍問わず。
自分でやっといて言うのもなんですが、ちょっと前まで私の髪は金髪。
はっきり言って印象は良くなかったと思います。
なのにナゼか、
 「ちょっとすいません…」
と声を掛けられる事が多かったです。
外国人に道を聞かれることも多数。
まぁ、それは金髪がかえって親近感を与えたのかも知れませんが。

外国人に聞かれたときの僕のセリフはいつもワンパターンで
「ゴー・ストレート」と「ターン・ライト(レフト)」
。そして最後は

 「フォロー・ミー!(付いてきなさい)」。

近い場合は大抵、そう言って現場まで連行します。
そう、藤原紀香がやってる英会話学校のCMのセリフのように、
「フォ〜ロ〜・ミィ〜!」って感じで。(古い)

英語が喋れる人なら何となく言いたい事も分かるけど、
実家のある新潟でロシア人五人組に囲まれた時はほんと泣きそうでした。

手書きの地図を広げて指差してる所から、
 「多分道を聞いてるんだな。」
とは思うものの、理解できる言葉が一つもナシ。
しかも、ナゼか囲まれて逃げ場ナシ。
更に五人ともやたら背が高い。さらに五人とも妙に酒臭い。
私の心の中の危険察知信号が鳴りまくる中、表情は平静を装いながら近くにある交番へ誘導しようと
お決まりのセリフ

 「フォ〜ロ〜・ミィ〜(付いてきなさい)」

を振り付きで言った所…


 五人とも無反応。

ジーッ、と私を凝視しつづける五人組。冷や汗が止まらない私。

身振り・手振りで交番まで何とか誘導し安堵の表情の私。
地図を再び広げて僕に見せてちょっと興奮するロシアン五人組。
多分、
 「ココじゃないぞ!地図を見ろ!違うだろ!」
的な訴えだったんだと思う。

「ここは交番。警察の人に聞いてみたら分かるかも。」

を伝えるために交番前で必死にジェスチャーを繰り広げる私。
おそらく、地図の位置をジェスチャーで教える方がよほど簡単だったに違いない。

四苦八苦する私が一瞬、交番内の警官と目が合う。
位置が遠かったので、目で警官に「迷子のロシアンですよ〜。」と光線を発射する。

視線をはずす警官。


…何となく、状況を知って無視してるような気がした警官の動向。
さすがに警官といえど、ロシア語で道を教えるのは難しいのだろうか。
でも、警官はそれもお仕事。私はあくまで善意のボランティア。

『ポリス』という言葉が通じたのか、五人が「オォ〜。」と言ってくれたのが約10分後。
交番へ向かうロシアン五人組。
それを見て席を立ち上がって迎える警官。
再び警官と目が合う私。
その視線から、何となく

 「俺だってロシア語わかんね―よ…」

という気がしたのは気のせいか?



日記でも以前書きましたが、外国人の旅行客は日本語を勉強して来きて欲しい。
【日本語】は、世界でも有数の難解言語なんだそうですが、ちょっとは覚えてきて欲しいですね…
よくある「旅行ハンドブック」や、辞書みたいなので棒読みしてくれるだけでもコッチは助かるのに。

ていうか、外国で日本語が流行ってる割には、
シャツにプリントされてる日本語が理解できない。

「おはよう」や「日本一」ならまだ分かるが、

「萌えー」

 とか

「脱肛」

とかプリントされてるTシャツを着てる外国人を見ると、いたたまれない気持ちになる。