Out of standard #21
結婚式協奏曲
<カミーノ・やな夫妻に捧ぐ。(「いらねーよ。」←夫妻の声)>

「結婚っていいかも…。」
そんな感動を抱かせる素敵な結婚式に出席させて頂きました♪

10年来の友人の結婚式。
これは一大事。
単に「友人席」に座って、食事して、拍手して、泣いてるだけでは許されまい。
そう。俺が許さん。って言うか、普段の自分の生活態度からして、周りも許さないだろー的状況。

カミーノ(新郎) 「何かやって♪」

 友人の新郎がさわやかに頼んできた。

  DS  「落語はヤだよ。」

 俺も笑顔で答える。(私は大学で『落研』所属)

カミーノ   「うん。落語はいいわ。」

 即答される。…そんなに落語はお嫌いかい。

結局、仲のいい共通の友人Wと一緒に、漫才らしき事をする事に相成る。

 ネタづくり…

結婚式には何かと制約が多いのが現実。
もちろん不吉な事は言えないし、下品なネタも親戚の方々を前にしては言いづらい部分が多い。

  W  「…そこの『テープカット』って言うセリフ、『カット』は「切る」だから式にはマズイんじゃねーか?」

  DS 「いやいや、『テープカット』ってどちらかと言えばめでたい言葉やで。」

  W  「言葉としてはめでたくても、『カット』はNGだろ。」

  DS 「…考えすぎやと思うけどなぁ。 じゃ、こっちの『坊ちゃん刈り』は?」

  W  「刈っちゃダメだろ。」

  DS 「これもNGかよっ?!」

そんな具合で、「ネタ作り」うんぬん以前の問題で衝突しまくってた打ち合わせ。
ピリピリムード漂う中、ネタ作りは一旦置いておいて登場の仕方を考える事に。

  DS 「俺たち受付もやるやん? って事は出席者全員と顔は合わせるよな。」

  W  「でも顔なんて覚えててくれないだろ。」

  DS 「だから、「受付やってた二人です。」って格好で出ればええがな。」

  W  「テーブル持って?」

  DS 「ご祝儀ばら撒きながら入場しようぜ♪」

…ご祝儀は事前に係りの人に没収されて実現しなかったが(当たり前)
格好は「受付らしい格好(+サングラス)」に決定。次の日早速衣装の買い出しへ!
蝶ネクタイ、手袋、机(に見せるためのダンボール&白布)、胸に飾る花、等々…占めて三百円。
有難う!ダイソー!

ネタの方も、衝突を繰り返し、もはや『何が面白くて何がつまらないのか?』さえ分からなくなるほど
頭脳疲労した結果、式当日までに練習を終え何とか完成。

式の2時間前に式場入りした『受付−ズ(即席コンビ名)』。
入場曲のタイミングやら、段取りの説明を係りの人から説明されて固まる二人。
そして式場スタッフの人にかけられる声。

「式としましては、『受付−ズ』さんの余興を一つのイベントとして考えております。」

 「受付−ズさん」? イベントとして考えるって…?

「入場曲もございますし、司会の方からも盛り上げて、その紹介後に飛び出して頂こうかと。」

 あの…そないに大層にして頂かなくても…

「いえいえ。我々スタッフ一同、新郎様よりお噂はお聞きしておりますので。『スペシャルゲスト』扱いで。」

 扱うなー。

ふと隣を見ると、既に数分前から固まったまま瞳孔が開ききってるWが直立不動の状態。
披露宴が始まると、浴びるように酒を飲みだすW。
 「飲まなきゃやってらんねぇ。」
と、披露宴には一番似つかわしくないセリフをはくW。もはやコイツは止められない。

でも本番直前にはトイレに入り浸り、すっかり酔いが覚めたW。意味無いじゃん。
しかしさすがと言うか、新郎・新婦に助けられたと言うか、Wは本番では名調子で笑いを誘ってました。
…その代わり私の方がたどたどしい部分が目立ったぐらいでして。

式の最後は僕もWも号泣した程の感動的な締めくくり。
いい結婚式でした。友人としても、「受付−ズ」としても。

 

 

  


受付−ズ2号。
そして…この写真がその「受付−ズ1号・2号」。
努力の甲斐あってか、ミスもなく評判も上々でした♪

友人の結婚式には再び現れるとか現れないとか…


受付−ズ1号。(DS)