Out of standard #23
「どこだココ」
歩〜こ〜う♪ 歩〜こ〜う♪ ワタシは〜ゲ〜ンキ〜♪(映画「となりのトトロ」より)
散歩だぁ!しかも夜中だぁ!
と言うのも、最近の運動不足を嘆いて思い立った事。
コンビニの帰り、急にそう思ったの。今考えればバカな事したと思う。
オイラ極度の方向音痴なのに。
とは言え、夜と言えども所詮は住んでる堺市だし。
「気を付けねばイカンのはヤンキーくらいだろう。」と思い、当てもなくテクテク歩き出す。
数分後…見た事もない住宅街へ迷い込む。
街灯がやたら少なくて僕たまらなく不安。
更に数分後…
街灯がスッカリなくなる。
月明かりの中、黙黙とふらつくワタシ。少し汗ばむ。
「いい運動になるなぁ。」なんて独り呟いてみる。
喉が渇いたので、近くにあった自動販売機でポカリを買って一気飲み!
そして更に数分後…
気が付くと農道を歩いてる自分。
なんで?
すでに汗だく。「この汗は何か違う汗のような気がするなぁ。」嫌な予感がよぎる。
「そろそろ…帰ろうかな。」 白々と日が明け始めた夜空を見て少し安心するワタシ。
「え〜っと…ドッチから来たっけか?」
「って言うか、周りに全然家がないぞ。」
そもそも、車を持ってなかった当時の私にとって、
「国道何号線」だのいう標識は無力。
「至 ○○市」とかいう標識も無力。
だってそれを見てドッチに向かえばいいのか分からないし…。
その上自分は筋金入りの方向音痴。全ての標識が無力。無駄無駄無駄。
数年ぶりに半べそかきました。辺りはまだ暗いし、人影さえ見当たらないし。足痛いし。貧弱貧弱貧弱。
冗談抜きに歩きながら思ったのは、次に見つけた民家があれば飛び込んで助けを求めよう!って事。
なんて貧弱な25歳無職だったのだろう。
でも今あらためて考えると、未明に自宅へ助けを求めてやってくる
「25歳無職・サンダル履きで半べそかいてる見知らぬ男」
に誰が救いの手を差し伸べてくれるというのか?きっと実行してたら通報されてたんじゃないかと。
ともあれ、その後明るくなって視界が開けた状況となったオイラは、
「山で遭難したら川を見つけて下ればよい。」
という教えにのっとり、
「町で遭難したら国道に沿って歩けばよい。」
と勝手に解釈。
沈痛な面持ちで国道を歩きつづけ、ようやく最寄の電鉄会社のレールを発見!!
「スタンド・バイ・ミー」のようにレールの中は歩かなかったけど、
そのレール沿いに歩くワタシは心もち小走りだったに違いない。
ひょっとするとちょっぴりスキップしてたかも知れない。
朝の5時半頃に
「25歳無職・サンダル履きでスキップしながら半笑いの見知らぬ男」
を見かけた人がいたらどう思っただろうか?
ともあれ、その後30分後に知ってるファミレスを見つけて無事帰宅できました。
何が情けないって、迷子になった地点から自宅まで、5キロも離れていなかったという事実。
方向音痴とかいうレベルでなく、社会不適合ギリギリのお話。