Out of standard #27
新潟の暑い夜

就職活動の関係で新潟市へ行って参りました。
予定の集合時間が朝早かったため、前日に乗り込んでホテルで一泊。
まぁ、ホテルは駅前のビジネスホテルと言えど、思わぬ出費であることに違いはない。
だもんで、せめて新潟市までの交通手段は高速バスで安く上げようと考えた訳です。

これが大間違い。

なんせオイラ、バスって小学生の時以来乗る機会がなかったもんで
バスの仕組みがよく分からなかったんです。
そんな訳で、事前に友人や親に聞いて『前乗り・前降り・賃金後払い』であることを学習。
さらに、『新潟駅前までは1,830円』という事まで調査済み。
もう怖いものなんてない。

そして当日。



時刻表の到着時間になってもバスが来ない…


5分…10分…


来ない…


バスは電車と違って「時刻表通りにバスが来ない事もある」ってのは分かってたけど、
さすがに20分過ぎて来なかったので焦る俺。
その間も、目の前の道路をたまにバスが過ぎ去っていく。
高速バスどころか、普通の路線バスさえ近年利用した事がないオイラにとって、
どれが観光バスでどれが高速バスなのか見分けさえつかず。
情けなくて涙が出そう。

 「もしや手を挙げてバスをとめないといけないのか?」

パニックになってそう思い込んでしまったオイラ。
確信がなかったから、バスが通るたびに何気に頭かく仕草なんかして微妙にバスにアピールする俺。


もちろんバスがとまるわけもなく。(笑)


そして25分が過ぎた頃、ようやくバスが到着。



 「バスに乗るときは、どこで乗ったか分かるように整理券を取るように。」

とオカンに言われてたので、乗るときに発券機を前に整理券が出るのを待つ俺。


 「ここは整理券でませんよー。」

と、親切にマイク越しで教えてくれる運転手さん。

二つ目の停留所だったので、整理券は出ないらしい。しかもそれ常識らしい。
苦い笑顔で席についたものの、心は既に疲労困ぱい。幸先悪すぎ。



気が付くと寝てしまい、3時間後…

「次は 終点・新潟駅前。 新潟駅前です。」

というアナウンスで目が覚める。

フと料金掲示板を見ると、『次は新潟駅前』と表示されてて、値段も「整理券なし=1,830円」とある。

 「あ、ココだ。」

と思った俺。
終点なんだから『次降ります』ボタンを押さなくても停まるのに、
寝ぼけてたもんで慌ててボタンを押す俺。

「ピンポ〜ン  降ります」

と車内にアナウンスがかかったかと思うと、1分もたたないうちにバスが停車。

 「はい。着きましたよー。」

と、運転手。

1,830円を払って新潟の地へ降り立った俺。





 「駅…どこ?」

辺りを見回しても駅らしきモノ見当たらず。


オイラの後ろでドアが閉まり、客を乗せて走り去る高速バス。





 「みんな…降りないの?」

そこで降りた客、俺だけ。


停留所の字を見ると


「新潟中央インター」

の文字。







一個前の停留所じゃねーかぁぁぁぁ!!!

(高速バスの停留所間の平均距離=10キロ)





つづく♪