Out of standard #32
24時間テレビ改造論

日本テレビ系列で毎年やってる「24時間テレビ 愛は地球をすくう」。
「24時間テレビ」の先駆けではありますが、
最近フジテレビやTBSでやってる「ぶっ続け系番組」に比べると、志が高い分バラエティ色が薄い。
っていうかバラエティ要素がない。

 「ボランティアが目的なのだからバラエティはいらない。」

という意見もあるかもしれませんが、それは違うと思うね。
色んな人に見てもらってこそ、訴えるメッセージがより浸透するってもんでしょう。
だからと言って深夜枠に脱ぎ脱ぎバラエティーとかやってる場合じゃないんだけども。

しかしここ数年マンネリ化してきてるのは疑いようのない事実。
実際、つまらない。
ジャニーズタレントが歌って踊って、誰かが24時間かけてマラソンして、
好感度タレントが「募金を!」って訴えて、マラソンしてたタレントが武道館へ帰って来る時に
ZARDの「負けないで」を合唱して、皆でサライを歌って、泣いて終わり。
…おおよそこんな感じだろ。毎年毎年。

そもそも、サブタイトルの「愛は地球を救う」っていうのが時代に合ってないんじゃない?
残念ながら、キレイ事で人の心を動かせるほど今の世の中は単純じゃなくなったしね。


てな訳で、サブタイトルを変更。ストレートにいってみよう。
ズバリ

「24時間テレビ 金で地球をすくう

「いくらお金があったって救えないものもあるんだ!お金で買えないものがあるんだ!」
という良識派に対応するため、もうちょっと訂正するか。

「24時間テレビ 愛と金で地球をすくう

どーだ。文句あるまい。実に日本的な発想だろ。


次。あのシャツ。
格好悪すぎ。
黄色いし。

あのシャツの売上げとかも基金に回されるんでしょ?
だったらもっと皆が買いたくなるようにデザインするのが妥当でしょう。
…全盛期のアイドルたちが着てもダサく見える、っていうシャツもある意味で貴重だけどね。

という訳で。
「格好よくデザイン」という目的と、
番組の主題である「ボランティア精神とお金。」の両面を一気に満たすにはコレしかない。

君島ブランドに発注。

愛を謳う番組がきっかけでケンカが悪化されても困るので、
兄のブランドと弟のブランドとで、2つのバージョンを発売。十和子夫人もウットリ。
ただし番組の性質上、もちろんデザイン料はノーギャラだ。


そして次。徳光和夫。

泣きすぎ。

悲壮感漂う号泣は個人的にあまり好きでないので、感動シーンを多く流す会場に徳光は入れない。
でも、いないと寂しい部分もあるので、この際彼には奮起してもらって

 『徳光和夫24時間マラソンに挑戦!

の企画で無理から参加。


早くもスタート前から号泣の徳光。
栄誉を与えられた事への嬉し涙か、単にイヤだから泣いてるのか。
番組開始早々、オーロラビジョンに映し出される
 「ドアップ徳光 謎の号泣」
の表情に、早くも騒然とする武道館。思わず寄付する人々の手も止まる。
まだスタートもしてないのに会場からどこからともなく巻き起こる「負けないで」の合唱。
涙が止まらない徳光へ、長嶋監督からのビデオレターが放映される。

 長嶋 「ん〜ど〜でしょう。いわゆる一つの24時間。ん〜頑張ってぇ。」

会場はフル・ボルテージ & 冒頭から日テレ色てんこ盛り。
Gファンは大興奮。アンチGは早くも興ざめ。

監督に励まされ走り出す徳光。しかし既に番組開始から1時間経過。スタッフ大慌て。

ジャイアンツの野球中継終了後、ヒーローインタビューに上がった清原がテレビに向かって一言。

 清原 徳光さん、頑張って走ってとるかぁ?いっちょ気合い入れてシバキあげたれー!
    ええか、岸和田魂や!
 ワイが清原じゃーーい!

徳光和夫(東京都目黒区出身 神奈川県茅ヶ崎市在住)
に岸和田魂があるかどうかなんて男・清原には関係ない。
ただ魂で徳光に訴えるだけ。ヒーローインタビューという晴れ舞台で送られる男から男へのインタビュー。
会場からは「清原!清原!」の大声援。
画面が中継の徳光に変わる。

徳光再び号泣。
汗と鼻水のオマケつき。


武道館が見えてきた時には、「負けないで」でなく
 「闘魂こ〜め〜ぇて〜♪」
と、ジャイアンツの応援歌で徳光を励ます武道館。
気が付くといつの間にかジャイアンツのハッピを着て走ってる徳光。 さすが!

老体に鞭打って頑張りすぎたのか、番組終了3時間前に武道館へ着いて番組レコードを弾き出す徳光。
番組のクライマックスを終了3時間前に迎えてしまって更に慌てふためくスタッフ。

番組のグランドフィナーレの時、走りぬいた徳光に総合司会が話し掛ける。

 司会 「徳光さん!最後に、世界へ向けてメッセージを!」


徳光 「我がジャイアンツは永久に不滅です!」

三たび号泣する徳光のアップで終わる番組。



…そんな「徳光一色」の24時間テレビなら1分たりとも目を離さずに見るだろうね。




巨人ファンなら。(横浜ファンの管理人)