Out of standard #38
セクハラトレイン

最初で最後であろう長期休暇(9連休)中の出来事。

石川在住のイワヲ氏方へ遊びに行った帰り。
前夜の夜遊び+電車時間の関係で朝早くに起きた影響もあって、オイラ激烈に眠い状態。

 「眠そうやけど寝過ごさんようにな。」

とイワヲに見送られ、文字通り夢うつつの状態で電車へと乗り込む。
 夏の暑い盛りだったため、格好もユニクロの半ズボンにユニクロのドライシャツ、
という至ってシンプルかつチープで楽な出で立ちだったオイラ。
盆の時期ということで座席指定をとったものの、金沢駅始発の特急電車は空き空き。
冷えすぎない適度な空調が効いていて静かな車内。


 さあ条件はそろった。寝なさい。


とでも言いたげなその空間。

素直に応じる俺。

五分後爆睡。








…次はー、直江津ー、直江津ー。




ハッ!

もう着いたか。

いやぁ、寝たね。激しく寝たね。
危うく乗り過ごすところだったよ。
さて、荷仕度でもするか…

と、目を開けて辺りを見回したところ




車内満席。




隣の席には可愛げな美女が。


しまったぁ。
こんな可愛い子が隣にいることに気付かぬまま、もう電車を降りないといけないのか…

文庫を熱心に読むその横顔。
文庫カバーまで付けているところを見ると、さては文学少女かしら。
見開きの中央部に両手を添えて読む姿が何と絵になることか。
白のワンピースがこれまた涼しげで、よいではないか、よいではないか。

いや、変態みたいな記述してますがね、これって重要なんですよ。隣に誰が座るかって。
長時間の電車旅の際に、早々に隣にオッサンがドカッ!って座る。これ最悪。
パターンは皆一緒。

タバコに火ぃつけて、
新聞広げて、
車内販売のねーちゃん呼び止めて、
ビールとおつまみ購入して、
一気に飲み干して、
ゲップして、
股開いて、
イビキかいて撃沈。


いやぁ…
仕事で疲れてるんだろうし、好きにさせてあげたいけど
その隣にいる人間の何ともいえない疲労感はどうだ。

それにくらべて

隣に若い綺麗なねーちゃんが座った時。これ最高。
パターンも全て新鮮。

タバコ吸おうが、ビール飲もうが、ゲップしようがお構いなし。どんとこい。
股開いて寝ようものならこっちが撃沈。

この違いだね。


清楚で可憐な雰囲気漂うその女性を横目に盗み見ながら、一瞬でそんなことを考えてみたよ。俺は。
オイラが寝ている間、一体この女性はどんな仕草で何をして、どんなことを思っていたのだろう…
そんなことまで考えたね。爆睡した自分を反省。

で、我に返って気が付いた。




オイラの服、ヨダレだらけ。




やってもうたぁーーー!!




疲労がピークだったため、大口あけて爆睡したオイラ。結果がごらんの有様。
さすがのユニクロ・ドライシャツでもその量は乾燥しきれず。ビッチャビチャ。


うぅ…、降りる前にこの状況をなんとかせねば…


と思った矢先にもう一つ気が付いた。






オイラのチ○コ、ビンビン。








朝立ちかよ!!!




疲労がピークだったため、どんな夢を見たのかさえ覚えてない。けど結果がごらんの有様。
ユニクロのソフト生地の半ズボンだったため、

 「あぁ、コレはズボンのシワの関係でそう見えるんですよ。」

なんて言い訳さえ通用しないほどに力強く、たくましく猛アピール。
まるで漫画の一コマのように、そう、シティハンターばりの見事なもっこり。
もはや手遅れ。

コレは夢だ、夢に違いない。

と隣を見ると、やはりそこには清楚で可憐な文学少女。
現実にショックを隠しきれない、チ○コビンビンよだれ男。
その光景だけ見れば、
 「人間の最上級と最下層」
の見事な対比。

ある意味でちょっとした不祥事。

ふしだらな妄想を抱いてビンビンになった訳じゃないため、
何をやっても収まらない俺のビンビン。
むしろ狼狽すればするほどその力強さは輝きを増すほど。


ごまかしようもないので、堂々と股間を押さえたまま下車しました。
そして堂々と股間を押さえたまま改札も通りました。




セクハラどころか『公然わいせつ』に近い体験。
それで思った。


たまに出没する露出変態犯について。







絶望的な気分になるだけだ。やめとけ。