これらの命題の共通点は、間違った前提が事実ならば、という
条件で与えられてることです。
(1)日本に大統領がいれば、という前提が間違い
(2)A君が空を飛べれば、という前提が間違い
(3)夏目漱石が自然数であれば、という前提が間違い
さて、何故これらの命題が排中律を破っていないのでしょうか。
例えば(1)について考えてみましょう。
(1)の命題をPと置いたとき「Pでない」という命題を正しく表現すると、
「現在の日本の大統領は禿である、のではない」となります。
「現在の日本の大統領は禿である」という事実はないのだから、
この「Pでない」の命題は真ですね。
よって排中律は破られていないことになります。